AI時代の面接では、応募書類に書かれた「担当範囲・判断の理由・成果の内訳」を、具体的な経験に沿って確認することが大切です。 AIで読みやすく整えられた文章から、本人がどこまで担い、何を考えて動いたのかを確かめます。

この記事では、中途採用の面接で使える5つの質問と、回答の記録方法を紹介します。応募書類を読んで「よく書けているけれど、実際の仕事ぶりが見えない」と感じる採用担当者に向けた実務ガイドです。

目次

応募書類にAIが使われる今、面接で確認したいこと

面接で確認したいのは、文章にまとめられた経験の具体的な中身です。「課題解決に貢献した」という記述を、課題・本人の行動・周囲の支援・結果へ分けて聞いていきます。

学情が2026年10月13日に公表した調査では、回答した20代転職希望者の63.5%が、就職・転職活動で生成AIを利用していました。利用者の61.9%が、履歴書や職務経歴書などの作成・添削に使っています※1。求職者の調査対象は同社の転職サイト来訪者186人で、すべての年代の転職者を代表する数字ではありません。

AIによる表現の整理と、経験そのものの評価は分けて考えましょう。文章が整っていることだけで、経験の豊富さや記載内容の真偽は決められません。

面接前には、本人の経験と自社で任せたい仕事との接点を具体化しておきます。「入社後に何を担ってほしいか」と「その判断に足りない情報」を整理すると、質問も具体的になります。

本人の経験を、担当範囲・判断理由・成果の内訳・学び・再現する条件の5つに分けて確認する図

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本人の経験を確かめる5つの質問

一つの仕事のエピソードについて、担当から結果まで順に聞くと、話のつながりを確認しやすくなります。以下の質問・回答例は説明用の架空例です。採用する職種に合わせて言葉を調整してください。

1. その仕事のうち、ご自身が担当したのはどこですか?

チームの成果と、本人が担った仕事を分けて確認します。 「プロジェクトを推進した」という回答なら、企画、実行、承認、振り返りのどこに関わったのかを聞きましょう。

質問例:「関係者の役割と、その中でご自身が決めて動いた部分を教えてください」

たとえば広告運用なら、「運用全体を担当した」から一歩進めて、予算配分を決めたのか、配信設定を担ったのか、改善案を出したのかを確かめます。上司や別担当の支援も聞くと、入社後に任せられる範囲を考える材料になります。

2. その方法を選んだ理由は何ですか?

実行した作業に加え、判断に使った情報と制約を聞きます。 手順を覚えていることと、状況に合わせて選択できることを、具体的な説明で確かめます。

質問例:「ほかに検討した方法はありましたか。何を優先して、その方法に決めましたか」

法人営業なら、「訪問を増やした」という行動について、商談化率、顧客の反応、使える時間など、何を見て決めたのかを聞きます。「他の方法を試せる権限がなかった」という回答も、本人の担当範囲を理解する情報です。

3. その成果は、何と比べて、どう測りましたか?

成果の数字は、対象・期間・比較条件とセットで確認します。 大きな実績でも、本人の行動以外に、予算、担当顧客、季節性などの影響が含まれる場合があります。

質問例:「その成果を測った期間と指標を教えてください。ご自身の工夫以外に、影響した要因はありますか」

「売上が伸びた」であれば、個人とチームのどちらの数字か、新規と既存のどちらが伸びたのかまで聞きます。守秘義務のある社名・金額・顧客情報は求めず、説明できる範囲やおおよその比較で確認しましょう。

成果の数字は対象・期間・比較条件の3点をセットで確認する図

4. うまくいかなかったとき、何を変えましたか?

期待どおりに進まなかった場面から、振り返りと修正の仕方を確認します。 成功した話に加えて、どの時点で問題に気づき、誰と相談し、何を変えたかを聞きます。

質問例:「最初の想定と違ったことは何ですか。その後、次の進め方をどう変えましたか」

「関係者への共有が遅れた」と話した場合は、共有が必要だと気づいた経緯と、その後の連絡方法を聞きます。失敗の大きさだけで評価せず、本人が状況をどう捉え直したかを記録してください。

5. 当社で同じ経験を生かすには、どんな条件が必要ですか?

過去の経験を自社で生かせるかは、仕事の条件を双方で確認して判断します。 企業側から任せる役割、使える予算、相談相手、意思決定の範囲を具体的に伝えたうえで聞きましょう。

質問例:「当社では少人数で案件を担当し、週1回レビューします。この進め方で経験を生かせそうな部分と、支援が必要な部分を教えてください」

本人の希望や必要な支援が分かれば、期待する役割と調整できる点を話せます。企業側も、まだ決まっていない配属や条件を確定事項として伝えず、確認して回答する項目を残します。

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AVACAREERでは、AI×AI面談の全文記録と、観点ごとの分析を確認できます。候補者の経験や働き方について、本人に確かめたい点を整理する材料になります。

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回答は事実・解釈・未確認に分けて記録する

面接後は、「本人が説明した内容」「採用担当者の解釈」「まだ確かめていないこと」を分けて残します。たとえば「主体性がある」という評価には、その根拠となる行動を添えましょう。

以下は、広告運用担当者の架空の回答を使った記録例です。「事実」欄は面接で得た本人の説明であり、第三者による裏付けが済んだという意味ではありません。

記録するもの記入例
事実:本人が説明した内容毎週、配信結果を集計して改善案を提出。予算変更は上司が承認していた
解釈:採用側の評価改善案の作成経験は確認できた。予算配分を単独で決める経験は要確認
未確認:次に聞くこと改善案を選んだ理由と、実施後の数値をどう比較したか

面接記録を、事実として残す本人の説明・採用側の解釈・次に聞く未確認事項に分ける図。記入例は架空

候補者を比較する前に、職種ごとの共通質問と評価基準を決めておきます。米国人事管理庁(OPM)は、共通の質問と同じ評価尺度を用いて職務に関わる能力を確認する「構造化面接」を説明しています※2。ここでは、その考え方を質問設計の参考にします。

実務では、次の順番で準備すると進めやすくなります。

  1. 任せる仕事を決める: 入社後に担ってほしい業務と責任範囲を具体化する。
  2. 確認する内容を揃える: その仕事に必要な経験と、評価の根拠にする行動を決める。
  3. 回答と未確認点を残す: 共通質問への回答を記録し、追加で聞く点を分ける。

回答が抽象的なときは、「直近の一件を、最初から順に教えてください」と具体例を求めます。考える時間を取り、必要なら図や箇条書きでも説明してもらいましょう。面接で確認しきれない実務は、職種に合う短い課題などで補う方法もあります。

会う前の確認を、人同士の対話につなげる

事前に経験や希望条件を整理しておくと、面接でさらに確認したい点を絞れます。会う前の情報整理と、本人と直接話して判断する時間をつなげることが大切です。

AVACAREERでは、求人票と一緒に面談で確かめる観点を整理し、それをもとに企業のAIが候補者の専属AIと対話します。事前に確認したい項目を具体化することが、面談記録を面接に生かす土台になります。

面談記録を読む際も、担当範囲や働き方の希望を確認したうえで、「選択した理由を本人に聞きたい」「入社後の役割をすり合わせたい」といった質問を用意します。AIの対話で得た情報も、重要な内容は本人と確かめ、人が採用判断に使います。

事前情報の整理、面談記録から質問を準備、本人と確認の順に進み、人が採用判断を行う流れ

詳しい仕組みは、AI×AI面談とは?従来のAI面接との違いで解説しています。採用前工程の見直しは、中途採用の工数を削減する方法も参考にしてください。

まとめ

AI時代の面接では、応募書類の経験を「担当範囲・判断理由・成果の内訳・学び・再現する条件」の5つに分けて確認しましょう。回答は事実・解釈・未確認に分け、職種ごとの共通基準で検討します。

まずは次に採用する1職種で、任せたい仕事と共通質問を整理してみてください。

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注釈

※1 株式会社学情「20代転職意識調査:就職・転職活動における生成AIの利用」(2026年10月13日公表・2026年10月18日確認。求職者調査は2026年8月6日〜23日実施、同社転職サイト来訪者の20代就職・転職希望者186人が回答。利用目的は生成AI利用者への複数回答)

※2 米国人事管理庁(OPM)「Structured Interviews」(2026年10月18日確認)